こんにちは。大笑です。
後編の始まりです。
我が盟友、お局ちゃん
日の出まで頑張ります。
色々と話をしました。彼女と知り合って、そんな時間は立ってませんでしたが、その時
間を追い越すことが出来るくらい中身のある話が出来ました。
しかし、彼女は会社に戻ることをまだ、躊躇していました。
仕方ないと思います。人に疑われるということは辛い事ですから。
それからも、あれこれと話をしました。
気が付いたら、深夜を過ぎていました。
話も、説得することから大きく逸れて、雑談になっていました。
この時間まで来たら朝まで頑張ろう。
「お前、朝まで付き合えるか」
「大丈夫やけど、眠たい」
「車で寝とけ、起こしたるわ」
一人、波止場で考えていました。
アホな頭をフル回転させ、考えました。
こういう時にかける言葉なんて、持ち合わせていませんでした。
ようやく朝日を見ながら伝えたいことを思いつきました。
伝えたいこと、それは、私が何かの本を読んだ時に、感銘を受けた言葉です。
元気を出してもらうには、日の出でしょ(笑)
あばらが死ぬほど痛い。クソゴリラめ、、
車で、彼女は良く寝ていました。
こいつを連れ戻さないと、社長や常務に合わす顔がない。
あばらの痛みのおかげで、眠気は無いのですが、痛みで気が遠くなりました。
太陽が昇り始めました。
大笑「見てみ、綺麗ぞ」
お局「わぁ綺麗な」
大笑
「今から、ちょっと柄にもない事言うぞ。よう聞けよ。俺もお前も、自分では輝くことの出来ないお月さんなんや。でもこの会社におったら、社長と言う太陽が照らしてくれる。あの人は凄い人や。俺は、あの人が俺の人生も輝かせてくれると信じてる。だからクソみたいな仕事もやったる。どんなことでも耐えたる。お前も会社に戻ってこい。この会社でいっぱい照らしてもらえ。いやな過去も全部かすむくらい照らしてもらえ。」
これが伝えたかったのです。丸暗記のセリフですが、、、
それでも、一世一代のセリフでした。必死だったので恥ずかしくは無かったです。
彼女は、しばらく黙って日の出の海を見ていました。
お局
「ありがとう。私はお月さんかぁ。考えたこともなかった。明るくしてないと駄目やと思ってた。お母さんや、周りの人間に心配かけたらあかんって思って、明るく振る舞ってた。でも、無理せんでええんやな。会社に戻りたい。またみんなと働きたい。」
大笑「当たり前やろ、とっとと戻ってこい。」
お局「今度、またお月さん見に行きたい。連れてってよ」
大笑「なんで、月やねん」
お局「太陽は眩しいだけやんか」
大笑「えっ、、?太陽は嬉しくないの、、、」
お局「綺麗けど、眩しいだけやん」
大笑「そうですか、、( ̄▽ ̄;)」
お局「・・・大笑、、、ありがとうな」
大笑「いや、礼は社長と常務に言え。心配しとったぞ」
この時、はじめて「大笑」と呼んでくれたはずです。
それまで、あんたか名詞なしでした。距離がぐっと近づいた気がしましたし、なんだか
嬉しくなったことを覚えています。
後で考えたら、会社に戻って来てくれるより、「大笑」と呼んでもらった方が嬉しかっ
たように思います。
気付いたら、彼女は私に寄り添って来ました。普通なら嬉しいのでしょうが、バカみた
いに密着してくるのです。1秒でも早く離れて欲しかったです。
あの~あばらが折れているのですが、、、痛いです。
あばらが痛くて、抱き寄せることも出来ない。せっかくのチャンスが、、、世の中は上手く出来てますね。
お局「大笑、私元気出た。今から会社行こ」
大笑「いや、、明日でええんと違うん」
お局「善は急げやん。今から会社行って社長やみんなに謝る。」
大笑「いや、、まだ誰も出勤してへんし、病院に行かせてくれ、、」
お局「一人やったら、何か気まずいから、お願い。付き合ってよ」
大笑「いやいや、そんな可愛い声出しても、無理。あばらが痛い、、、」
結局、事務所で一緒に、社長を待ちました。
その前に、クソゴリラ常務が出勤してきました。
常務「おっ、お局ちゃん、久しぶり。今日から復帰か?」
お局「勝手してすみませんでした。いつでもいいので復帰させてください」
常務「社長がもうすぐ来るから、聞いてみ」
常務「それより、横の君、顔色悪いぞ。どうしたんや。あははは」
大笑「あばらが痛いんじゃ。お前のせいやろがクソゴリラが、、、」👈心の声です
社長は、二人の姿を見て、今日は帰って明日からおいでと笑ってました。
社長「それより二人は付き合っとんのか?」
常務「横の人はそんな甲斐性ないですわ あははは」👈それは正解かも
お局「そんなんと違いますよ。でも今回は大笑に助けてもらいました」
大笑「クソゴリラはいつか殴る。早く病院行きたい」👈心の声です
帰り際に社長から
「今日、お前がしたことを、一生忘れるな。ようやった」
お褒めも言葉と、日当を下さいました。
結局、お局ちゃんに病院に連れていってもらいました。
再度、レントゲンを撮ってもらうと、もう一本、ヒビが発見されました(笑)
めちゃくちゃ重傷やん、、、労災ではないのか?
でも、仲間が帰って来ました。社長に褒められました。
あばらは痛いけど、嬉しい日になりました。
お局ちゃんは、この話は、誰にも話しません。
ええ話なんやから、話をもっともっと美化して社内中に広めてくれ言うと、いつも笑い
ながら。
「この話は勿体ないから、誰にも話せえへんねん。誰かに話ししたら減るやん。あんたも誰にも言ったらあかんで私とあんただけの、思い出なんやから。」
減るわけでもないのですが、そういうことにしときましょ。
その後、彼女は凄く明るくなったように思います。誰にでも笑顔で接するようになりま
した。
今では、人の痛みをわかる、優しい人間として、年下の子達からも慕われています。
良い先輩として活躍をしています。母親になった事も要因なのかもしれませんね。
まだまだ、私の足元にも及びませんがね!
彼女も、私のその部分は認めてくれているようです。
認められると、むず痒いですが、、、
ただ、彼女は見えないところで、凄く悩み、努力したんだと思います。
人間は変わることが出来ると教わりました。
それぞれの道
縁とは不思議なものです。
お局ちゃんとは、それぞれ別の家庭を持ち、違う道を進みました。
彼女は、別の男性と交際をし、ゴールインしました。
私自身、不思議と、嫉妬したり、落ち込むことはなかったです。
ただ、結婚前は色々とありました。
ただ1度だけ、子供さんを出産した時に、凄くお局ちゃんが、遠いところに行ってしま
ったような気がして、寂しく思ったように思います。
私は、この会社に人生を賭け、家庭より会社と、自分に言い聞かせて来ました。
実際、子供の行事なんて行ったこともないですし、学校の節目も顔は出していません。
会社のためなら、家庭は犠牲に出来ます。
私には家庭と仕事の両立は無理です。
それは、結婚前から嫌と言うほど話し合いました。
ですから、嫁さんは、会社のことに関しては一切触れて来ません。
こんな不器用な私に、
「あんたが、器用に生きたら気持ち悪いやん。でも、ここ一番、絶対に逃げへんところは認めとるから安心して。」
何度も背中を押してくれました。
でも、お局ちゃんは、自身の幼少期のトラウマがあります。感受性が強すぎるのです。
絶対に私の考え方、生き方には合わないと思っています。絶対に耐えることは出来な
いと思っています。
今の距離だから、仲良くできるのでしょう。
それぞれの進んだ道は間違っていなかったのでしょう。
最後に
彼女とは、創業期に出会えたことが良かったのだと思います。
一度、今回お話したことを、社長と常務にだけ話したことがあります。
社長は、
「仲間を大切に思う、その気持ちは絶対に忘れるな。お前の行動は、一人の人間を救っ
たかも知れん価値ある行動やぞ。人として成長したんと違うか?」
嬉しかったです。社長の言葉が自信になりました。
常務も
「お前は、アホやけど、仲間を思う気持ちは、誰にも負けへんはずや。会社が大きくな
るには、不可欠な人材やと思ってる。これからも頼むぞ」
アホは余分ですが、珍しく褒められました。
「俺は間違ってなかった」と思えました。
そんな立派な行動ではなく、使命感だけで動いたのですが、その結果、彼女と仲良くな
れましたし、今も仲間として一緒に働いています。
今の私の礎となった出来事でした。
人を思う気持ちは、時には凄く大きな力になるのですね。
そしてその力は、自分を成長させ、仲間も救うことが出来るのでしょう。
私の人生は「結果オーライ」連続ですが、そこには行動を起こすことが不可欠です。
行動を起こさないと何も起きません。
気付かせてくれた彼女には感謝しかありません。