Vol.118 おさんぽふぉと
「気をつけんかい、この馬鹿が」
「ごめんなさいね」
公園で、おじいさんが転んだ。
隣で、奥様とみられる女性が手を差し延べた。
おじいさんは、その人の手を借りて、立ち上がった。
おじいさんはブツブツと言いながら、女性の前を歩き始めた。
女性も何も言わず、後ろを同じ歩調で歩き始めた。
私は見逃さなかった。
おじいさんは、けつまずいた女性をかばおうとしたが、
女性の方が大柄だったため、おじいさんが吹っ飛ばされた形になった。
文句を言われながら、後ろを歩く女性は、心なしか微笑を浮かべていた。
「気をつけんかい、この馬鹿が」
奥さんに足元に気をつけろ。怪我でもしたらどうするんや、この馬鹿が。
なにより、愛する嫁さんを支えられんとは、俺は大馬鹿野郎だ。
という意味がこの言葉に凝縮されている。
後ろを歩いていた、奥さんの微笑は、
やっぱり嬉しかったのでしょう。
素敵なご夫婦だ。
じいさん、かっこいいぞ。
そう信じたい。
いや、そうであるべきだ。
因みに、私は眼鏡をかけて、視力0.8ってところだ。
しかも、現実逃避、真っ最中である。
とどめに、何でもいいように考えてしまう悪い癖がある。
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