「心頭滅却せねば、晩飯食えん」


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「心頭滅却せねば、晩飯食えん」

 

こんばんは。

 

先日、弟夫婦が遊びに来ました。

弟は酔うと昔の貧乏時代の話を必ず始めます。

 

私が中学に入学した頃、我が家はどん底の生活を

しておりました。

亡き祖父が経営をしておりました会社の、販売所の2階を

無償で住ませてもらっておりました。

元々住居用の建物ではありませんから、

まぁデタラメな住居でしたね(笑)

その話は、またの機会に。

 

住めば都と言いますが、慣れてしまえば特に不満はない。

ただ、一つだけ。

「風呂」が無かった。

まぁ、普通の家庭でしたら、銭湯に行けばいい訳で、、、

しかし、我が家は、、、貧乏だったのです。

しかも、極貧・・・

 

当時、姉が高校生、私が中学生、弟が小学生でした。

私と姉は大人料金で200円くらいだったと思います。

姉弟が全員銭湯なんかに通うと、家計圧迫ですわ。

母親は、「銭湯代くらい大丈夫や」と言ってましたが

子供の私からすれば、心配です。

しかし、母親や姉は女です。

風呂に入らない訳にはいかない。

 

「俺、風呂は毎日いらんわ。外で水浴びとくわ」

健気な大笑の精一杯の意地っ張り。

「それええな。私もそうするわ」

母親は、私の提案に乗って来ました。

結局、姉と弟が銭湯に行き、私と母親は外で水で水浴び。

店舗なんで、シャッターを閉めてしまえば、外からは見えません。

そのうち、弟が水浴びに参戦してきました。

暖かい間は、楽しかったです。

風呂というより、水遊びです。

しかし、夏が過ぎ、、、秋になり、、、ちょうど今の季節です。

 

寒い。冷たい。水浴び無理。

 

「兄ちゃん、寒いな。銭湯の方がいいな」

弟はそろそろ限界です、、、

仕方ないので、2階で湯を沸かし、タライに湯を入れ

簡易の浴槽を作ってやりました。

弟は喜んでいましたね。

しかし、自分の順番には誰も湯を入れてくれません、、、(笑)

 

ある日、母親と口論になりました。

 

「おかん、修行僧やあるまいし、冬に水浴びは無理やぞ」

「あんた、根性ないな」

「お前は、金ないやろ」

「アホ、心頭滅却すれば火もまた涼しや」

「なんじゃ?」

「火も熱くないと思えば、熱くないんや」

「俺は、火の話してへん。水や、水が冷たいねん」

「火も水も一緒や。気持ちが弱いから冷たく感じるねん」

「んなわけないやろ」

 

結局、冬場は銭湯に通うことになりました。

半年以上ぶりに、湯船につかった快感は今もよく覚えています。

嬉しかったなぁ~。

湯船だけじゃなく、シャワーからも、カランからもお湯がでる。

「お湯が出るんですよ」

何時代の人間じゃ~っ(笑)

 

 

今思えば、給料日前には、母親が銭湯に行かなくなります。

200円とはいえ、コロッケ4つ買えますもんね。

思春期真っ盛り、生意気真っ盛りの私は

薄々、感づいていましたが、口には出来ず、

言い訳をつけては、私も真冬でも水浴びをした記憶があります。

2人、銭湯に行かなければ、コロッケ8つですから(笑)

 

「心頭滅却せねば、晩飯食えん」

 

 

 

一度、銭湯からの帰り道、

母親が、私たちにソフトクリームを買ってくれました。

いやぁ~美味しかった。

ソフトクリームを食べながら、銭湯からの帰り道。

なんか、凄く特別な感じを持ったと記憶にあります。

 

「あいつら、贅沢すぎるわ」

弟は自分の子供に対しての愚痴です。

この言葉が出れば、嫁さん達も参加しての子供への愚痴大会。

母親はどのような感情を持って私達に接していたのか。

ふと、考えてしまいますね。

 

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