今日は「怖い話の第二弾」
この話も清掃会社さんの応援の際に起きた出来事。
幽霊の話ではございません。
【恐怖の夜】怖くて動けなかったあの日
この頃は、うちの会社で、作業チームを作り、清掃会社さんの下請け業者として
県内外を走り回っていた。
その夜は、県内の山間部にある、食品スーパーの閉店後の清掃でした。
季節は初夏だったか、梅雨時期だったか、蒸し暑くて、雨がたくさん降っていました。
作業中も、屋根に当たる雨の音で、かなり雨が降っていることがわかりました。
いつもと変わらない作業でしたので、淡々と作業を進め、予定通り作業が終了するか
と思っていた矢先、トイレ休憩を取っていた、アルバイトの一人が、大声で私を呼びに
来ました。
「大笑さん、大変です」
その悲鳴に似た声に、作業員全員の手が止まりました。
彼に事情を聞くと、どうも町内放送で、避難を呼びかけていると言うのです。
急いで、全員で放送の聞こえる外へ向かいました。
「えぇ~っ」
まず驚いたのが、すごい雨です。
そして、排水が追い付かず、駐車場が大きな水たまりになっています。
しかし、避難の呼びかけは、一向に放送されません。
「お前の聞き間違いやろ」
他のアルバイト達は、彼の言うことを取り入ろうとはせず、作業に戻りました。
私は、放送はともかく、雨の勢いが弱まらないことに、少し不安を感じましたが、
残っている作業を片付けることにしました。
朝の4時頃には、作業も終わりました。
5時ごろには、お店の方が出社されるので、引継ぎを行ったら帰ることが出来る。
アルバイトと、うだうだと雑談をしながら、お店の方を待つことにしました。
雨は相変わらず、ザーザーと降り続いておりました。
お店の前には、道路をはさんで、川が流れておりました。
普段は、のどかにせらせらと流れている川なのですが、「ゴーォォォ」と不気味な音を
たてて流れています。
すると、突然
「大雨のため○○ダムの水を放流します。直ちに避難してください」
おぉ~これがアルバイト君が言っていた放送かぁ
しかし、全く持って意味不明です。
「ダム?こんなところにダムってあるの?」
「放流?ダムの水を放流したらどうなるの?」
「避難?ここは避難しないと駄目なところ?どこへ避難するの?」
知らない土地だといことが、なんとも心細くさせてくれる。
さっきまで、ケラケラ笑っていたのに、みんな無言になってしまった。
雨がさっきより、たくさん降り出したように感じる。
川の流れる音が、さっきより私達に近づいて来たように感じる。
なにより、街灯も少ない場所の夜の暗闇が、私たちの不安を煽ってくれる。
アルバイトの手前、弱音は吐けない。
でも、正直ビビっていました。
自分達の身を守ろうとする「逃走本能」と、現場を放棄出来ない「責任感」
生来の臆病さからくる「無責任さ」と、責任者だという「ちっぽけなプライド」
短時間に色々な自分が出てきて、
「大笑、どうするねん」と問いかけて来る。
答えは出ません。出るわけない。
焦る気持ちと、不安・恐怖が交互に押し寄せる。
当時、生きてきた中で、1番決断を迫られた瞬間だったと思います。
しかし、そんな私に救世主が、、、
はるか向こうから、パトライトらしき、赤い光が近づいてくる。
全員が立ち上がって、雨の中、道路へ走って行きました。
今まで、あんなにパトライトが救世主に見えたことはない。
道の真ん中まで出て、手を振り、パトカーに助けを求めました。
アルバイト曰く
「ここは、水が放流されたら、沈んでしまうんですか?」みたいなことをしきりに
警察官に尋ねていたそうです。あんな必死な私は初めて見たとも言っていました。
しかし、警察官は
「あぁ、あれね、ダムがある程度の水位になると放送が流れるのよ」
「はぁ?」
「ちょうど、ダムに向っているところなんです。でも大丈夫ですよ」
「そうですか…」
そうこうしていたら、店の店長さんが出社して来られました。
店長に放送の事を尋ねてみると
「迷惑な放送やろ、機械が壊れてるんとちがうか」とだけ、、、
明るくなり、川を恐る恐る覗きにいくと、いつもよりは、水かさが増えているのですが
思っていた水位ではなかった。
「ゴォォォ」と恐い音を出していたのは、溝から川へ雨水が流れ出る音だったのでしょ
うかね。
まぁ、何事も無くて良かった。
いつも賑やかな、帰りの車は終始無言。ってか、みんな寝てました。
あれこれと不安に思い、疲れたのでしょうね。
あの出来事は、今でもたまに思い出します。
今では、笑い話です。
ダムの放流で、あの店が沈んでしまうなんて、ありえない話です。
冷静さとは、有事の際に必要なことですね。
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