雨の日の思い出 ~親切はむず痒いから嫌い~


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皆さん、こんばんは。

昨日、記事にした話を書きながら、思い出したお話。

 

 

今週のお題「雨の日の過ごし方」

またまた、お題からは外れますが、雨の日の思い出です。

私は、子供の頃から、雨の日が嫌いでした。

雨に濡れるから?

ジメジメして不快だから?

 

子供の頃に、突然、雨が降った時に、周りの友達は、お母さんが傘を届けてくれる。

傘を差して迎えに来てくれる。

この光景が、凄く羨ましかった。

仕事を持っている母は、来るはずがない。

それが分っていても、来てくれるかも?という期待をしてしまう自分が居る。

結局、ずぶ濡れになって帰る自分が、凄く嫌だった記憶がある。

 

雨の日の思い出 ~親切はむず痒いから嫌い~

 

ある雨降りの午後

記憶がはっきりとしないところがあるので、雰囲気でお話します。 

中学生の頃のお話。

昼頃から雨が降り出したある日、私は雨で部活もないということで、無断で学校を早退

をした。

外は土砂降りだ。

ボロボロのビニール傘で雨を避けながら、帰る途中に、家の軒先だったか、お店の軒先

だったか忘れましたが、小学生の男の子が雨宿りをしているのを見つけた。

彼は、すでに服が濡れていて、野球帽のつばからも水がしたたり落ちていた。

急に強く降り出した雨に、たまらず軒の下に逃げ込んだのだろう。

 

私は無意識に

「おい、傘忘れたんか?」

少年はうなずくだけ。

「この傘やるわ。これ差して帰れ」

彼の手に傘の手元を握らせ、雨の中走って帰った。

正直、親切心で傘を渡した訳ではない。

同情と言った方がしっくりと来る。

 

 

思わぬ展開

 

翌日、思わぬ展開が私を待ち受けていた。

「2年○組、大笑、職員室に来い」

放課後に放送が鳴り響いた。

声の主は生活指導の先生。部活の顧問でもあった。

どっちの肩書で呼び出したのだろうか?

思い当たることはないが、、、恐らく生活指導だろう。

 

ガラララ、、、「失礼します」

放課後の職員室は先生たちが忙しそうに動き回っている。

この時間帯の職員室はタバコの煙で真っ白だ。

「こっちや」

先生が手招きしている。

先生の所へ行くと、驚いた。

昨日、少年にあげたボロボロの傘を、先生が持っていた。

「大笑、お前、昨日、小学生に傘を貸してあげたらしいな」

「知らないです」

「さっきな、お母さんと小学生の子供さんが傘を届けてくれたんや」

「知らないです」

 

思春期ど真ん中だった私は、「いい人」にだけには絶対なりたくない。

だから、何が有っても認めたくない。恥ずかしいから。

 

「傘を渡した生徒は、赤い肩掛けカバンを持った、つるっぱげやったらしいぞ」

「どうでもいいですやん」

「つるっぱげに赤いカバンなんか、お前しかおらんやろ」

「だから、どうでもいいですやん」

「お前もやさしいとこあるんやなぁ~ガハハハッ」

先生は、私の肩を思いっきり叩き、大声で褒めてくれた。

「痛いのぉ…」

 

反抗的な態度とは裏腹に、 

恥ずかしい気持ちと、少しだけ嬉しい気持ちが入り混じり、叩かれた肩の痛みが心地よ

かった。

それでも、私は先生の顔を直視できなかった。

嬉しいという感情を、見透かされることが嫌だった。

親切なんかするもんではない。 

 

結局イーブンかよ

 

先生が、

「それより、お前、この傘、どこにあったんや?」

「えーっ、、、下駄箱の傘立てのんを、借りて帰った」

「借りて帰ったんかぁ・・・」

「そんな汚い傘、誰も使わんと思って。ちゃんと返すつもりでした」

「汚い傘かぁ・・・返すつもりやったんかぁ・・・」

「傘立てに返しときますわ。失礼します」

「ちょっと待て、、、」

「なんすか?」

「これな、ワシの傘や・・・」

「えっ?よりによって、あんたの傘やったの・・・汗」

 

結局、その後、散々と説教された。

ただ、傘を貸してあげたことを考慮して、ペナルティーは無しになった。

 

晴れやかな気持ち

 

この日も外は、雨景色。

でも心は晴れやかだった。

 

先生に褒められたから?

いい事をしたから?

少しはマシな人間になったのか?

どれも当て嵌まるし、どれも当て嵌まらない。

 

 

お母さんが傘を差して迎えに来てくれる友人たちを、羨ましく見ていた。

いくら待っても来るはずのない迎えを、独りで待っていた。

いつしか諦めて、雨に濡れながら、家に帰ったあの頃。

友人たちが羨ましくて、自分が情けなくて、悲しくて。

そんな、あの頃の自分自身に傘を届けたかっただけなのかもしれない。

雨宿りしている小学生を自分の姿と重ね合わせてたのだろう。

 

雨降りの日、雨に濡れると、ふと思い出す出来事。

今でも、雨降りには周囲が気になることがある。

 

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