【バレんタインデー】小心者と賢者【後編】


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昨夜の地震は驚きました。

実は、実姉をはじめ、関東に知人が多く住んでおりまして、今ようやく全員と電話やメ

ールで連絡が取れ、一安心しております。

皆、「揺れが長くて怖かった」と言っておりました。

皆様におかれましても、引きつづき、警戒をお願いします。

 

実は、この話に登場している「彼女」も東京に住んでいまして、先ほどLINEが来まし

た。

この記事を投稿していいのか悩んでいましたが、

彼女の返事があったので、予定通り、ブログを投稿いたします。

偶然とはいえ、恐かったです、、、、

 

 

 

舞台は、昭和63年2月14日 確か、土曜日か日曜日だったはず、、、

 

バレんタインデー

 

ある夜の電話

バレンタインデーが近づいていた、ある日、彼女から電話があった。

用件は、はっきり言わなかったが、2月14日の予定を聞かれた。

その日は、部活の練習試合。

当時は、土曜日も学校の授業があった時代。

結局、前日の土曜日の昼以降に、中庭で会う約束をした。

 

この電話を受けて、期待しない男はいないと思う。

例に漏れず、自分も、ソワソワしていた。

チョコを期待しているのか、彼女と二人で話できることを期待しているのか、

いや、両方を期待しているのか。

恐らく、それ以上の何かを期待していたと思う。

土曜日の授業が終わり、彼女に会いにいった。

 

う~ん、、、なんでやねん

中庭には、他にもたくさん人がいて、驚いた。

チョコの受け渡しで賑わっていたのだ。

柄にもなく、約束の時間より早く到着した。

期待が勝っている証拠だろう。

 

背後から、私の名前を呼ぶ声。

彼女の声だ。

そのの声に反応し、振り向くと、彼女が立っていた、、、が、

その横にはA子ちゃんの姿が。

「大笑君、これ、、、」

A子ちゃんから差し出されたのは、綺麗な包装紙に包まれたバレンタインチョコ。

「ありがとう」

戸惑いながらも、必死で作った笑顔。

裏腹に、彼女に対しては

「なんでやねん」

怒りに似た感情がふつふつと湧いてきた。

ただ、時間と共に、淡い期待を抱いていた、自分に対して腹が立った。

A子ちゃんには悪いが、チョコの有難みはそこには無かった。

 

フラれてもいないのに、失恋した気分だ。

彼女の行動は、決して悪意のある行動ではないのはわかっている。

が、、、わかっていても、どこか納得がいかない。

それを必死に、自分に言い聞かせる自分に、また腹が立つ。

 

しーちゃんは、自分の彼女でも何でもない。ただの友達だったはず。

友達に対しての好意

異性に対しての好意

「好き」という感情の境目が解らない。 

確かめる術が見つからない。

自分の気持ちが解からない。

彼女の真意が解らない。

あぁっ面倒くせぇ、、、

 

 

2月15日の出来事  

 

月曜日の午前中、いくつかのチョコレートが私の元に届いた。

そこには、彼女からチョコはなかった。

やはり、彼女からチョコを貰えないのは、寂しい。

 

 

昼休み、彼女が

「大笑君、これ。部活帰りに食べて」

手作りの小さな紙袋。

まわりの視線が、自分と彼女に集まっていることが、すぐにわかった。

当然、A子ちゃんも、友人もこちらを見ていた。

「えっ?みんないるのに?」

思わず赤面してしまった。と同時に、友人の反応が気になった。

誰が見ても、バレンタインチョコ。

「開けてみて」

彼女に言われるがまま、中身を出すと、

あんぱんが1個入っていただけ。

「あんぱん?」

バレンタインデーに、何故あんぱん???

周囲も???

すぐさま、友人にそのあんぱんを見せた。 

クラスは大爆笑に包まれた。

彼女も微笑んでいる。

自分だけ、苦笑い、、、何これ?

 

 

部活帰り

部活帰りに、仲間と一緒に、いつもの駄菓子屋に寄った。

ジュースを買い、彼女に貰ったあんぱんを食べることにした。

 

 

あんぱんを出そうとすると、袋の裏に何か書いてある。

仲間に気付かれないように、袋を覗き込むと、

袋の中に矢印が書いてある。

その矢印は袋の底を指している。

袋に手を突っ込むと、袋と同じ紙を使った手紙が入っていた。

同じ紙なので、全く気付かなかった。

危うく、袋を捨ててしまうところだった。

 

 

 

駄菓子屋のベンチで手紙を読んだ。

クリスマス会で、自分が友人に席を譲ったことが、凄く嫌だったこと。

A子ちゃんの件は本当に悪いことをした。

怒っていたことはわかっていた。

どうせ、チョコを渡しても受け取らないから、好きなあんぱんにしたこと。

私からのバレンタインあんぱんです。

これなら、誰にもバレんタイン。

 

 

 

部活の仲間が笑いながら、

「○○から貰ったあんぱんか?残念やなチョコレートやなくて」

こんなところまで、噂が広まっている。

しかも、彼女の狙い通り?みんなを欺いてる。

 

昨日までのモヤモヤはどこ吹く風。

その日は、嬉しかった。とにかく嬉しかった。

「彼女は、凄い。こんなバレンタインは初めてや」

今すぐにでも、大声で、自慢したかった。

 

自分がチョコレートが苦手なことを覚えてくれていた。

自分があんぱんに目がないことを覚えてくれていた。

自分がチョコレートなら、友人に遠慮して、受け取らないことを分かっていた。

 

えっ?友人が彼女に好意を持っていること、自分が友人に遠慮していることを、

彼女には話したことはないはず、、、

  

何もかもお見通しの、彼女の賢者ぶりに、感心し、感謝しました。

 

そして、気付いたことがある。

友人として、異性としてなんてことはどうでもよかったのだ。

大切にしていた、二人だけの世界に、誰も入って来て欲しく無かったのだろう。

 

 

春を迎え、クラス替えで、彼女の顔を見ることは減ってしまった。

でも、変らず、よく電話で話した。

夏休みに海へ星を見に行き、くだらない話で盛り上がった。

 

これを「恋愛」と呼ぶのかも知れない。

自分の「片思い」だったかも知れない。

この微妙な距離感は、卒業するまで変わることはなかった。

この「バレんタインあんぱん」の話は、誰にもしたことが無い。

そう、誰にもバレてはいけないのだ。

今でも、二人だけの秘密だ。

 

 

これが私の、誰にもバレんタインデー」の 思い出。 

正直、シンプルだけど、これだけ手の込んだ、バレンタイン チョコ(パン)は、

後にも先にも、記憶がない。

 

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