結果オーライ、それも人生さ【前編】


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皆さん、こんにちは。大笑です。

今日は、ちょくちょく私の話に出て来る「お局ちゃん」のお話をさせていただきます。

こいつとは、付き合いが長いので【前編】【中編】【後編】【番外編】の4部構成でお

話したいと思います。

記事にする前に、お局ちゃんからそれとなく事実確認をしましたので、恐らく間違って

ないと思います。

とりあえず、思いのままお話させていただきます。

 

 

我が盟友、お局ちゃん

お局ちゃんのご紹介

彼女は、わが社の最古参の事務員さんです。

高校を卒業後、わが社に入社し、苦楽を共にしました、私の盟友の一人です。

結婚を機に、一度退職しました。出産を経て、子育てに奮闘。子供さんが手が掛からな

くなったので、復職しました。

何故か、年下のくせに、タメ口です。

若い頃は生意気でしたが、お人形さんのように可愛い子でした。

今は、、、コメント控えておきます。

 

 

出会い編

彼女とは、今の会社が、まだまだ創業期で迷走していた頃までさかのぼります。

ちょうど、震災後の春ごろに、私が、この会社に入社したので、

私が25歳、彼女が20歳。今から25年前のお話です。あぁ~若い頃があったんですね。

私は、前職を退職後、先輩に誘われ、今の会社に入社したので、彼女は、私より2年ほ

ど先輩にあたります。

 

当時の会社は、たいした仕事が無く、日給月給でした。

日給と言っても、固定給ではないので、ひどい時は日給1500円なんて日もありました。

保険もなく、社員というのは名ばかりの、日雇い労働者でした。

現場から帰って来ると、彼女が、封筒にお金を入れて待ってくれてます。

お局「はい、今日の分」

大笑「ありがとう」

毎日、これの繰り返し。あまり会話が無かったように思います。

彼女は、出会った頃は、愛想が無くて、どことなく影がある子でした。

 

 

 

事件とお局ちゃんの涙

私が入社して、しばらくして、社内で事件がありました。夏頃だったと記憶してます。

今でも忘れられない出来事でした。

日給の入った封筒が無くなったのです。5000円ぐらいだったと思います。

事務所にはお局ちゃん一人しかいなかったので、先輩たちは、お局ちゃんを犯人扱

いします。

私は発覚してからしばらくして、帰ってきたので、内容をよく呑み込めていませんでし

た。内容を聞いて最初に思ったのが

「5,000円?割のええ仕事やってんなぁ」

 

 

社長も、先輩(現常務)も留守で、事務所の中は混沌を極めました。

ちょうど、以前お話に出て来ました、同期の「所長」も居ましたので、事情を聞いてと

りあえず、場を収めるのが先だと思い、我々の日給を合わせて、先輩に渡しました。

大笑「先輩、これで今日はとりあえず収めてくださいよ。」

先輩「お前らも、金取られんようにせえよ。気分悪いわ」

正直、こっちが胸糞悪かったです。でも何も言えず、私と同僚は下を向いたままでし

た。

 

封筒の大捜索

そのうち、一人、二人と帰っていき、私とお局ちゃんの二人になりました。

みんな、どこかで彼女の事を疑っていたのかも知れません。

お局「あんたもはよ帰りよ。」

大笑「お前はどうするねん、お金、探すんやろ?」

お局「あんたに関係ないやん、ほっといて」

大笑「そうか、、ほな帰るわ。お前もはよ帰れよ」

私は、一度事務所を出ました。

でも、20歳そこそこの女の子が、泥棒扱いされたのです。

私自身も、似たような経験が過去にありました。彼女の気持ちが痛いほど分かります。

事務所を振り返ると、窓から寂しく漏れる事務所の明かり、一人で泣いてるかも?

ほっとけませんよね。正直、お金が出てくるとは思っていませんでした。一緒に探す言

い訳を考えました。アホはアホなりに凄い言い訳を見つけました。

 

大笑「戻ったでぇ。」

お局「なんで戻ってくるのよ、一人にしてって言うたやん」

大笑

「腹減って、買い物したらさぁ、電車代が無くなった。お金は先輩に渡してもたやろ。邪魔はせえへんから。今日は事務所で寝るわ。それより、お前も腹減ったやろ、食え。腹減ってたら力が出えへんぞ」

お局ちゃんは、緊張の糸が切れたのか、泣き始めました。泣きながら、おにぎりとお菓

子を食ってました。

それから、ニッコリ笑って 

「そら、あんた、こんなに買ったら電車代もなくなるわ。アホやなぁ。でも、ありがとうな。」

彼女の表情は少し柔らかくなったように感じました。

おにぎりや、お菓子、飲み物を二人では食べきれないほど、買って帰ったと思います。

お局ちゃんの好みが分からず、数打てば当たる攻撃です。

 

「世の中には、優しい嘘もあるんやな」

いまだに、言ってます。完璧な嘘のはずですが、、、やはりバレました(笑)

結局、夜中まで探してのですが、出て来ませんでした。

私は、5000円なんてどうでもよかったんだと思います。それより、そんな、はした金で

仲間が疑われるのは嫌だったんでしょうね。

 

お局ちゃん、良かったね。

結局、お金は出て来ませんでした。

お局「私会社を辞めたほうがええやろか」

私は寝てしまってましたが、彼女は夜通し探したようです。

大笑「ここまで探して出てこうへんねんし、もうええやろ」

お局「私はお金なんか取ってない、、、どうしたらいい?」

彼女がお金を取っていない証拠もないです、無実を証明することも出来ない。

力になれない自分が情けなかった。

 

自分が出来る事は、社長に直談判しかありませんでした。

社長に事情を話し、首がおかしくなるくらい頭を下げました。

 

その日の夕方に、お金が出て来ました。

別の先輩が、間違って持って帰ってしまっていたようでした。

とりあえず、お局ちゃんの無実は晴らされました。よかったです。

でも、人生は上手くいかなもので、もう一波乱ありました。 つづく