思い出の写真 親友になれなかった二人


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こんにちは、大笑です。

思い出の写真シリーズ第2弾

高校の卒業式の時に撮った写真です。

男ばかりの写真です。

そして、笑顔は無いですが、学年1番の男前との写真が残っています。

 

男に囲まれた卒業式 

 

こいつに勝って、スッキリ卒業しよう

写真は卒業式の後で撮られたものだと思います。

この時のお話を少し。

 

卒業式が終わり、正門の所で、みんなが別れを惜しんでいる。

仏頂面の男前が私に声を掛けてきた。

野球部のキャプテンで、私にとって、長きに渡って競い合って来た、ライバルでした。

「おい、大笑、今から勝負せんか?」

「何の勝負や、受けて立つぞ」

「写真、女子と記念撮影をどっちが多くするかや」

「おいおい、お前、それは俺の得意分野やぞ。アホやのぉ」

「負けたら、勝った方の言うことを一つ聞くことな」

 

勝負が始まりました。

正直、負ける気はしませんでした。

 

 

しかし、勝利の女神は初めから、私には振り向いてくれませんでした。 

しばらくして下級生の男子が、数人私に近づいて来ました。

 

「先輩、ご卒業おめでとうございます」

 「おぉ~お前ら来てくれたんかぁ~」

実は男には用はないんやけどなぁ~・・・・

 

部活の後輩たちでした。

そして、紙袋をそれぞれが渡してきました。

「卒業祝いです~っ」

そこには、手紙や、サッカーの雑誌、サッカー関連のグッズが入っていました。

中には、エロ本やエロビデオが入っている袋も、、、

「おい、この本は使用済みの本かぁ~」

「はい、でも、お勧めページは解るようにしていますんで」

「おい、ビデオは誰のやつや」

「OO(女優名)です。いいっすよ」

「そうかぁ( ̄▽ ̄;)」

 俺は、お前らの教育を間違ってなかったんやなぁ~

しみじみ思ってしまいました。

こいつらが来てくれたことが嬉しかったです。 

違うんやけどなぁ~

時間と共に、十数人が集まっていました。

野球部のキャプテンは、女の子と写真を撮ったりしているのに、、、、

「お前ら、後にしてくれへんか、今あいつと勝負してるねん」

「何の勝負なんですか?」

「何人と写真を撮るかの勝負や」

「ちょうど良かったです。僕と写真を撮ってくださいよ」

「いや、、、それは趣旨が違う、、、男は要らんねんけど、、、」

 

可愛い後輩のお願いですから断れません。

結局、人数分だから、男と20枚ほど写真を撮りました、、、

撮り終えた頃には、女の子はいませんでした。

当然、勝負には負けました、、、 

 

試合に負けたが勝負には勝った 

勝負は、野球部のキャプテンの圧勝でした。

 

この野球部の キャプテンとは3年間色々とありました。

まず、野球部とサッカー部は代々、犬猿の仲でした。

グランドの取り合いでそうなったのですが、「野球部だけには負けるな」が先輩から私

たちに下された至上命令でした。

マラソン大会、運動会のクラブ対抗リレー、昼飯の大食い、女性関係、何でも張り合っ

て来ました。

特に私とそのキャプテンは、バチバチのライバル関係でした。

3年最後のマラソン大会は、絶対に負けたくなくて、部活引退後も、毎日走り込みまし

た。でも負けちゃいました。

あれは悔しかったぁ~

マラソンは3年間、あいつには勝てなかった。 

でも、こいつのキャプテンシーは、一目置いていましたし、ある種の敬意を持っていま

した。

野球部とサッカー部にそれぞれが所属していたため、仲良く出来なかった関係。

まるでロミオとジュリエットでした(笑) 

 

「悔しいけど、俺の負けや」

「大笑、試合には勝ったけど、勝負は俺の負けや」

「なんで?」

「ウチの後輩は、だれも来うへんかった」

「えっ!そんなら俺の勝ちでええの?」

「いや、試合は俺の勝ちやから、俺の勝ち」

「お前、さっき負けやと認めたやないか」

「うるさい、俺の勝ちや」

意地っ張り同士なので、最後はいつも、いがみ合いになります。

 

負けたほうの罰ゲーム

負けたほうは、勝った方の言うことを何でも一つだけ聞くが罰ゲームでした。

どうせ、「メシおごれ」と言って来るだろうと思っていたのですが、、、

あいつの口から驚きの言葉が、、、

「俺を、あそこに連れていけや」

吹き出しそうになりました。

「お前、人に頼むときは、お願いしますやろ。」

「うぅぅ、、、連れて行って下さい」

「最初から、素直にお願いせえや、このムッツリが」

 

「それより、お前、一緒に写真撮ろうぜ」

「ええなぁ」

その時に撮った写真が、目の前にあります。

二人とも全然笑顔ではないのですが、意外な組み合わせの写真です。

 

最後に

こいつと、男二人で映画を見に行きました。

私は何度も行ったことがあるのですが、あいつが「あそこ」と言っていたのは、

 

「ピンク映画」のことです。

「日活ロマンポルノ」と言った方がピンときますかね。

いつも、仏頂面しているあいつが、入る時には緊張していました。でも、映画館から出

てきたあいつは、こんな顔が出来るのかというくらい、満面の笑みでした。

「お前、そんな顔出来るんやなぁ」

何か、凄く人の役に立ったようで、嬉しかった。

そして、「エロ」は男の笑顔の源ですね(笑)

しかし、こいつとピンク映画を観るなんて不思議な感じでした。

 

その後、飯を食べて、波止場で遅くまで語り合いました。

ほとんど、部活時代の愚痴でしたが、、、

ただ、お互いが部活の看板を背負って、意地を張り合ったことは、お互いを認め合うこ

とに繋がっていました。

こいつとは、部活の関係が無ければ、もっと仲良く出来ていたと思います。

今は、彼とは付き合いは無いのですが、元気にしていることでしょう。

 

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