あの頃の僕は【4】 運命のいたずら


スポンサードリンク

f:id:kakadaisyou:20200917232401p:plain

こんにちは、大笑です。

 連休も最終日ですね。皆さんはゆっくりされていますか。

私は連休中は、半ドンで出勤ですが、帰宅してからのんびりさせてもらいました。

たくさん記事も書けたので、助かりました。

では、第四弾をお話しますね。

 

www.kakadaisyou.com

 

www.kakadaisyou.com

 

 

www.kakadaisyou.com

 

 

先輩の事を少し意識していることに気付いた私。会社を辞めることを知ってしまい

悶々とした気持ちで会社で過ごしました。しかし、運命のいたずらが、私に追い打

ちをかけました。では、第4部です。

あの夜以降、私は何も手に着かず、本当に悩みました。

先輩とも少しぎくしゃくして話す機会も減っていたと思います。

何度か説得をしたのですが、意志は固く相手にされませんでした。

 

悩みとは、恋愛感情ではなく、先輩の居ない会社にいるべきかどうかでした。

少しづつですが、自分の気持ちを整理しました。

私が、営業部に異動になってから、何かと面倒を見てくっださったのは先輩でした。

「ちゃんと先輩に自分の気持ちを伝えて、辞めよう。」気持ちが決まりました。

1995年の一月のことでした。

 

今でもよく覚えています。

1月16日に同期の連中と新年会と同期の結婚祝いを兼ねて神戸で飲んでいました。

同期が年末に結婚したのですが、若い私たちは結婚っていうものが、どのようなものな

のか興味深々で質問ばかりして話が盛り上がりました。

飲み会も終盤戦、電車が無くなる者もいるので、お開き前に私が切り出しました。

大笑「みんな聞いてくれ、俺な会社を辞める」

同期「えっ?なんで辞めるねん、辞めてどうするねん?」

大笑「解らん、、、でも辞めることは決めた。ほんま世話になったな」

大笑「出来たら2月末で辞めたい」

同期「最近、Aさんとも口をきいてないけど、原因はそれか?」

大笑「はぁ?なんで?」

同期「付き合っとるんやろ?」

大笑「ちゃうちゃう、そんなんと違う」

同期「みんな疑っとたんや、ゆっくりその話を聞こか」

 

うーん、、何故バレている?。会社ではそんなそぶりを見せていないのに。

 

大笑「好きなんかわからんけど、気になるかな、、、」

同期「それが好きってことやろ、応援するで」

それから、Aさんとの話ばかり。嫌な気はしなかったけど、ただ、

 

おいっ!俺が辞める話に誰も乗ってこうへんとはどうゆうことや、寂しないんかい!止めへんのかい。👈これ大事

 

1番仲の良かった同僚に、もう一軒付き合ってもらうことにしました。

自分の気持ちを聞いてもらい、かなりスッキリしました。

ただ、二人とも、かなり酔っていたし、こいつに相談したのが間違いでした。

会話の90%が下ネタ、、、今でもこいつはそんな男です。因みに今も独身です。

 

当時、私は浜田省吾さんの歌をよく聞いていて、「君に会うまでは」って歌が大好きで

「腕組歩くよ、夜の街二人」ってフレーズがあるんですが、A先輩と歩いている時にい

つも心な中で流れていた曲なんです。

そう、Aさんと腕を組んで歩きたい! なんて可愛い願望なんでしょうか。

同僚にその話をすると、

同僚「アホか、ええ年しとるのに、乳を揉め、腕組んでどないすんね」アホか、、、

同僚「あっAさんは揉むほど無かったな はははっ」どついときましたわ(怒)

同僚「何が好意やねん。男と女は行為や。行為が大切なんや」上手いな、、、感心

 

こいつは、おっぱい大好きなんです。アホでしょ(笑)だから独身です

 

 

現在でも、恋愛感情だったのか解りません。当時はもっと解りませんでした。

でも、感謝の気持ちは、伝えたかった。そして、腕を組んで歩いてもらう(笑)。

再度、絶対伝えるぞと心に決めました。

家に帰ったのは、1月17日の2時頃でした。

 

ここで、私の人生をも変えてしまう大事件が起こります。

 

そう、1月17日午前5時46分52秒

 

あの阪神淡路大震災が起こったのです。 

 

私の住んでいる町は、かなり揺れたのですが、建物の倒壊などの被害は限定的でしたが

ライフラインは電気以外は駄目になりました。

ココだけの話、私は地震に全然気付きませんでした、、飲み過ぎた(*´Д`)

家を出るころは、まだ停電となっており、情報が何もなく、周りの人もいつも通り、駅

へ向かっていました。が、、、駅は人で溢れかえっているのです。

駅で神戸の町中が、地震で壊滅状態だということを知りました。

駅では悲鳴を上げる人、公衆電話に並ぶ人、、駅の中はパニック状態でした。

当然、電話は繋がりません。会社、同僚、上司、誰にも繋がらず、、、、

 

何をどうして、どうすればいいのか分からない。

家に帰った時に、神戸の映像が映し出されているのを見て、発狂しそうになりました。

町中、爆弾を落とされた後のような風景、良く仲間で遊んだ三宮の街もゴジラが暴れた

後のようにぐちゃぐちゃでした。

自然と涙が出てきて、その場に崩れ落ちたことをよく覚えています。

 

近くに住んでいた同僚B(今でも独身の人)が、すぐに駆け付けてくれて、バイクで神

戸に行くことを決めました。テレビで情報を集め、計画をしました。

まずは、同僚にバイクを借りて、A先輩の家まで行きました。先輩の家の周辺は特に被

害ありませんでした。

 

A先輩「無事やったんやな。ほかの子らは?電話が繋がらへんから心配で」

大笑「Bは無事です。ただ、神戸に住んでる人らは解りません」

A先輩「どうしたらいいんやろ」

大笑「明日、Bと神戸へ行ってみます。どこまでいけるか解りませんけど」

大笑「先輩がわかる範囲でみんなの住所を教えてください」

A先輩「わかった」

大笑「明日、7時にもう一回家に来ます」

 

なんか、二人っきりで話をするのは、いつ以来でしょう。

まぁ楽しい話ではなかったですが、先輩が無事で一安心でした。

なぜ、神戸に行くかというと、結婚をした同僚の奥さんが身重の体だったのです。

Bも同じで、一番にその同僚の事を心配していました。

翌朝、A先輩の家へ行き、みんなの住所をもらいました。

A先輩「みんなに会ったらよろしく言っといて。それとこれ」

リュックサックにおにぎりと、水筒、女性スタッフにはそれぞれ袋詰めした荷物を預か

りました。この人は凄い人だと改めて思いました。

大笑「この袋は何なんですか?」

A先輩「あんたは知らんでいいから、、、女の人に必要なもん」

大笑「出来るだけ、探してきます。ほな、行きます」

A先輩「あんた絶対無茶したらあかんで、無事帰ってきてよ」

大笑「Bも一緒やし、あかんかったらすぐに帰ります。約束します」 

 

神戸は普段でしたら、1時間ほどあれば着くのですが、その日は半日くらい掛かりまし

た。神戸に近づくにつれて、二人とも声にならなくて、目を合わせるのが精一杯でし

た。バイクで進めなくなり、徒歩が増えました。

場所によっては、今いる場所がどこなのか、どうすればこうなるのか、、、全く理解不

能の状態でした。あちらこちらから、煙がのぼり、自然と建物が崩れ落ちる光景も何度

も見ました。

二人して、無地帰れるのか、来るべきではなかったのか、、不安で不安でめちゃくちゃ怖かったです。ただ、私たちのように誰かを探している人も多く、Bも含めてお互い声を掛け合うことで正常を保つことが出来たように思います。ただ、夜は本当に怖かったです。

ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、地震の余震ってゴオオオって音を立てから揺れるのです。だから余震が来るたびに音に身構えてしまいます。普段なら人で賑わっている神戸の街が、綺麗なネオンで彩られた街が、暗闇に包まれ、静かで何かが崩れる音と風の音、そして余震の音しかしない。すべてが闇にすべて包まれていました。もう朝が来ないと錯覚するほどでした。

その時は言えなかったのですが、神戸に行ったことを凄く後悔していました。もし、Bが居なかったら逃げ帰っていたでしょう。

 その後、一人、また一人と無事が確認でき、それでも3日掛かりました。

幸い、避難所へ避難していたのは一人だけで、他の人は家も無事でした。

神戸の中心地に住んでいた人が少なかったことが幸いしました。

会社の倉庫が無事だったので、そこで寝泊まりをしたのですが、倉庫は私の城でしたか

ら、おっちゃんたちが隠している、酒とつまみの在りかは知っていました。

みんなの無事でした。新婚の同僚と奥さん、おなかの赤ちゃんも無事でした。目的達成

です。

応援に駆けつけてくれた仲間とも運よく合流出来たので祝杯をあげました。

いつも、スーツ姿でビシッと決めている先輩が、無精ひげをはやし、頭はボサボサ。今

なら絶対、スマホで記念撮影ですよ。でもみんな妙に頼もしかったです。

暗くなる前にみんな家に帰つて行きました。また寂しい夜が来ました。

なんか、無性にA先輩に会いたくなりました。早く報告をしたかったのです。

 

翌朝、Bと帰路につきました。相変わらず、神戸の風景はまともに見れない状態でし

た。 ただ、来る時より人が増え、援助も増えてきて、少しホッとしたことを記憶してい

ます。Bに頼んで、A先輩の家に寄り、すべてを報告しました。

A先輩は静かに涙を落して「よかった、みんな無事で」と喜んでくれました。

 

その時、私は次に来る試練を想像すらしていませんでした。

まさか、A先輩と仲間との別れが足音も立てずに近づいてきていたなんて。

そして、自分がいかに未熟者だと思い知らされることも。

つづく