こんにちは、大笑です。
「あの頃の僕は」 第三弾です。
前回のあらすじ
営業部へ異動となり、後れを取り戻すべく必死に仕事に取り組みましたが、なかなかうまくいかない毎日。そんな中、A先輩からアドバイスをもらう。
今回は、A先輩への想いに気付きます。
入社して3年が過ぎました。
年々、景気が悪化していき、仕事は順調とは言えない中、私は運よく大型案件を受注す
ることができ、この年の「社長賞」なるものをいただくことが出来ました。
ちょうど1994年の年の瀬でした。
ようやく、会社に自分の存在を認めて貰えたようで、喜びもひとしおでしたし、何より
会社に自分の居場所が出来たような気がしました。
この頃には、後輩も出来ましたし、偉そうに指導もしていました。
当然、金一封もあり、日頃のお礼にA先輩を食事に誘うことにしました。
A先輩とは家の方向が一緒だったので、よく飲みには行っていたのですが、ずっとご馳
走になっていました。今日は「社長賞」があるので、私のおごりということで誘いま
した。
食事も終わり、お会計の時です。
A先輩「ここは私が払うわ」
大笑「いやいや、今日は僕に払わせてください」
A先輩「あかんあかん、年上が払うもんやろ」
社長賞の封筒を見せました。
大笑「今日はこいつで払いますから、大丈夫ですよ」
得意げに封筒を開け、中からお金を出すと、ええっ!
なんと3000円しか入っていない、、、ウソやろ~
封筒は立派やのに、中身はこれだけ?
おい、社長、せめて10,000円くらい入れとけよ!
大笑「先輩、足りませんわ、、、涙目」
財布のお金を合わせても足りないのです、、、
せっかく、先輩の前でええ格好をしたかったのに、3,000円ってあり得ない、、、
A先輩「なぁ100年早いわ、お言葉に甘えて足らず分だけ出すわ」
でも、その時にA先輩が、ゲラゲラと笑ってくれたのです。
本当に初めてかも知れないです。あの「アイアン」が大きな声で笑ってくれたのです。
奇跡ですよ。本当に嬉しかったです。
そして、その笑顔がとても可愛らしかったのを覚えています。
けど、社長賞が3,000円ってショボ過ぎませんか?
店から先輩の家まで、普段だったらタクシーで帰るのですが、その日は私のわがままで
歩いて帰ることにしました。先輩と話をしたかったからです。
自分がここまで仕事を続けてこれたのは、まぎれもなく先輩のおかげでしたし、先輩の
アドバイスのおかげで、大きな案件も受注することが出来たのです。
ただ、なんて言えばいいかわからない、、、いつもと違うのです。
この時、私は先輩を女性として見ていたのかも知れません。
もう、ガチガチになっていました。あそこじゃないですよ(笑)
沈黙、、、ただ時間が過ぎていく、、、先輩の一言がその沈黙を破りました。
A先輩「ここだけの話な。私ね春に会社をやめるねん」
大笑「はい?なんですかそれ」
A先輩「親の仕事を手伝うことにした」
A先輩「人事部にはもう伝えているけど、営業部は部長以外は知らへんから」
大笑「ぼくはこれからどうしたらいいんですか、そんなん困りますよ」
ちょうど、先輩の家の近所まで来てしまいました。
A先輩「じゃぁ、また明日」
大笑「・・・・おやすみなさい、、、」
えぇっ会社辞めるの?
先輩の家から駅までの道、どうも自分に対してイラつく。
何も言えず、引き留められない自分が情けない
辞めることよりも、人事部に伝える前に相談してほしかった 、先輩にとって自分はその程度のものなのか
色々な感情が芽生え、先輩を意識していることに気付いてしまいました。
恋心?先輩への憧れ?お世話になった恩義?どれもが当てはまり、違うような。
でも、やっぱり好きなのかなぁ。二人でいると楽しいし、
いや、でも先輩に対してそこまで性は感じない?(若いころの基準はココ)
二人で歩いてきた駅までの道は、凄く時間が短く感じたのに、一人で歩いていると凄く
時間が長く感じました。先輩、一人はやっぱりさみしいよ。
駅に着いて驚き!
終電が終わっている、、、
タクシーに乗りたかったのですが、財布の中はからっぽ、、、メシ代で中身が尽きた
クソ寒い中、三駅分くらい歩いて帰りました、、、これはよく覚えています(笑)
犬みたいに、何度も電柱に小便をしたのもよく覚えています(笑)
めちゃくちゃマーキングしときましたよ。
先輩が辞めるという話を聞いて、一気にやる気がなくなりました。
俺も会社をやめようかなぁ~ つづく